はじめに
最近では暗号資産(仮想通貨)取引が普及し、こうした状況に対応するため国税庁は「仮想通貨Q&A」を公表しました。
一方、弊所には暗号資産(仮想通貨)取引の案件が複数寄せられています。
これらの事案に携わらせていただくなかで、関与先の皆様が共通してお持ちのご不明点等がみられます。
そうした点を踏まえながら、本記事は暗号資産(仮想通貨)に関する税務上の取扱いについてご説明するものです。
第8回は前後編に分けて暗号資産(仮想通貨)の必要経費に関してお話し致します。
※第8回前編をまだ一読されていない方はコチラ
後編は、必要経費を計算する場合の注意点をお話し致します。
細かい内容になりますが、暗号資産(仮想通貨)取引で役立つ内容なのでぜひ一読ください。
暗号資産(仮想通貨)必要経費の注意点
暗号資産(仮想通貨)の売却による所得は「暗号資産(仮想通貨)の所得区分」で、お話しした通り原則として雑所得に区分されます。
その所得金額は総収入金額から必要経費を控除することにより算出します。
この必要経費に算入できる金額は、
①総収入金額に対応する売上原価その他その収入金額を得るため直接に要した費用の額及び
②その年における販売費・一般管理費その他その所得を生ずべき業務について生じた費用の額
です。
なお、必要経費に関して次の事項に注意してください。
注意
・パソコンなど使用可能期間が1年以上でかつ一定金額を超える資産については、その年に一括して必要経費に計上するのではなく使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費(こうした費用を「減価償却費」といいます。)とする必要があります。
・個人の業務には一つの支出が家事上と業務上の両方に関わりある費用(こうした費用を「家事関連費」といいます。)については、取引の記録に基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合に限りその区分した金額を必要経費に算入することができます。
【関連法令等:所法37・45/所令96】
さいごに
いかがでしたでしょうか?
内容が濃いので2回に渡って必要経費に関してお話し致しました。
次回は「年間取引報告書を活用した暗号資産(仮想通貨)の所得金額の計算について」お話し致します。
お楽しみに。