暗号資産(仮想通貨)

電子商取引の普及と働き方改革が所得税実務に与える影響「雑所得【業務】申告の留意点」

投稿日:2025年1月6日 更新日:

 

松実宏幸
こんにちは、松実宏幸です。

 

今回は電子商取引の普及と働き方改革が所得税実務に与える影響「雑所得【業務】申告の留意点」について掲載します。

 

雑所得【業務】申告の留意点

ここでは, 令和4年分以後の所得税確定申告の手続き面において

ⅰ収益費用の帰属時期
ⅱ請求書や領収書等の保存義務
ⅲ収支内訳書の添付義務

を確認しましょう。

しかしこれらの論点は、課税庁において納税者に過度の負担を強いることを回避する観点からその業務に係る前々年の収入金額の規模に応じて課しているので慎重な適用判定を必要とします。

以下の場合に分けてより詳しくご説明します。

 

1)前々年の副業収入が300万円以下の場合

前々年の副業収入が300万円以下の小規模な業務を行う者に限って, 現金主義による所得計算の特例を適用することができます。
本特例により納税者の経理事務負担は軽減されるが, この特例を適用する納税者は, 所得税確定申告書にその旨を記載しなければなりません。

 

2)前々年の副業収入が300万円を超える場合

前々年の副業収入が300万円を超える場合は, その業務に関連する請求書や領収書など(現金預金取引等関係書類)を5年間保存しなければなりません。
これに加え, 電子帳簿保存法上, 令和6年1月1日以降に電子データで送付・受領した請求書や領収書は, 紙にプリントアウトして保存する場合, 出力書面だけでなく電子データのまま保存する必要もあります。

 

3)前々年の副業収入が1,000万円を超える場合

前々年の副業収入が1,000万円を超える者には, 提出する所得税確定申告書に収支内訳書の添付が義務づけられました。
実務上このような規模で副業を営んでいる場合には, 営利性・継続性・企画遂行性の点から事業所得と認められる事実があるか否かを確認したうえで, その所得金額は, 業務に係る雑所得ではなく事業所得と取り扱い確定申告することを検討しましょう。
ただし暗号資産取引は, 他の副業とは性質を異にするものと考えられているため納税者がその取引で生計を立てているということが客観的に明らかな場合を除き, 原則として雑所得に区分して確定申告しなければなりません。

 

さいごに

全4回に渡って電子商取引の普及と働き方改革が所得税実務に与える影響をご説明しました。

今回説明した副業収入をしており申告に関してお手伝いできることがありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

取引内容や規模、業況等をお聞かせいただいたうえで、税理士費用のお見積をさせて頂きます。

-暗号資産(仮想通貨)

Copyright© 松実宏幸税理士事務所 , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.